平成14年5月14日

 

日本ヒトプロテオーム機構(JHUPO)設立趣意書

 

日本ヒトプロテオーム機構(JHUPO)設立準備会

 

前文

1.名称

2.設立の目的

3.日本プロテオーム機構の概要

3.1.活動内容

 (1) データベースの整備と情報公開

 (2) 会議開催

 (3) 教育広報活動

 (4) 倫理指針の策定

 (5) プロテオームに関する方法、技術および材料の改良と展開

 (6) プロテオームに関する情報特に蛋白質の知的所有権について検証

 (7) プロテオームの成果のビジネスへの展開の奨励

 (8) 特別推進プロジェクト

 

3.2.会員

 (1) 役員

 (2)会員

 (3)年会費

 (4)会員の権利

 (5) 会員の義務

 (6) 会員の利益

 (7)会の運営

 

3.3.組織

 

4.発起人

 

 

拝啓

 

 陽春の候、ますます御健勝のこととお喜び申し上げます。

 

 近年、ヒトの全遺伝子の解読が進むと共に、遺伝子の表現形態として機能するタンパク、特に生体組織内でのプロファイルとしてのプロテオームに対する関心が急速に高まっております。各国で独自に進められようとしていたプロテオーム研究の領域で、技術開発を奨励し、ヒトとモデル生物のプロテオームに関する知識を広める事を目的として2001年2月8日に、ヒトプロテオーム機構(Human Proteome Organisation: HUPO)の創設が宣言されました。 10月には第1回ワークショップが米国バージニアで開催され、ミシガン大学医学センターのSam Hanash教授をHUPO会長に選出し、全世界的組織として活動しております。2002年3月にはソウルでアジア・オセアニアHUPO(AOHUPO)の主催により、第1回国際プロテオミクスシンポジウムが開催されました。また、4月には米国NIHで第2回ワークショップが開催され、11月にはHUPOの第1回世界会議がフランスのベルサイユで開催されます。

 

 HUPOのミッションとしては、以下の3点が定義されております。

 

1.ヒトプロテオーム研究の諮問機関として世界的な非営利組織を組織する。

2.ヒトプロテオーム研究のための技術を広めるため、更にヒトとそのモデル生物のプロテオームに関する知識を広めるための研究活動と教育活動を展開する。

3.公的なプロテオームの多くの独創的研究のコーディネーションを支援する。

 

 HUPOの設立に際しては21名の世界的に著名な研究者の方々が参画されておられ、日本からは次田 晧(プロテオミクス研究センター)と中村 和行(山口大学、医学部)の2名が指名され設立委員、理事として参加しています。また、次田は、前記した2002年3月のAOHUPO会議で、AOHUPOの副会長に選出されています。

 両名はHUPO本部と相談してHUPOの日本支部を開設する努力を致しました。大学、研究機関、企業からの一線級のヒトとそのモデル生物の研究者、研究管理者21名の参加をえて、この日本ヒトプロテオーム機構(JHUPO)の第一回の準備会は2001年5月、第2回は2002年2月に開催されました。この2つの準備会を通してJHUPOを任意団体として発足し、日本におけるプロテオーム研究機構とする提案がなされました。

 JHUPOは、HUPOの日本支部として上記のHUPOが掲げる3つのミッションを推進するとともに、日本におけるプロテオーム研究機構として広く産官学からの研究者の参集を募り情報交換の場として機能することが必要であります。

 今日、遺伝子解析をはじめ日本のライフサイエンスは全般的に欧米に大きな遅れを取っており、このままでは、世界的な競争力、発言力がプロテオームにおいても低い水準で留まる可能性が高くなっております。次期の、ライフサイエンスの大きなターゲットとして注目をされているプロテオーム領域における我が国の競争力を保持するためにも、産官学が協調しプロテオーム研究の情報交換センターとしてのJHUPOを早急に強化することが必要とされております。

 

 このような現状を踏まえ、最先端技術と古典的な技術の融合した新研究分野として注目されているプロテオーム研究の情報センターとして「日本プロテオーム機構(JHUPO)」を下記の通り任意団体として正式に設立することに致しました。

 本機構の設立の趣旨に御賛同いただき、御協力を賜りたく、特段の御高配をお願いする次第です。

 

敬具

 

 

 

日本ヒトプロテオーム機構の目的および事業内容は次の通りである。

1.名称

  日本ヒトプロテオーム機構

  (英語名:Japan Human Proteome Organization、略称:JHUPO)

 

2.設立の目的

  本機構は、ヒトゲノムの解読を受けて活発化しつつあるヒトプロテオーム解析に関する世界的組織であるヒトプロテオーム機構(HUPO)の日本支部として、以下のミッションを展開する。

 

1)我が国のプロテオーム組織を世界的な組織・HUPOの一環として組織する。

2)プロテオミクスで使われている技術を広めるため、更にヒトとそのモデル生物

のプロテオームに関する知識を広めるための研究活動と教育活動を展開する。

3)公的なプロテオームの多くの独創的研究のコーディネーションを支援する。

 

 更に、日本におけるプロテオーム研究の情報交流の場とし、産官学の研究者が協力して、プロテオーム領域においての種々の独創的研究を集積する。

 

3.日本プロテオーム機構の概要

3.1.活動内容

以下の活動を行う。( )内は、2002年現在の担当者

(1) データベースの整備と情報公開(担当:次田、戸田(都老人研)

 我が国のプロテオームのデータベース整備等を行い、研究者間の情報の交換を容易にする。

 ホームページを開設し運営する。

 (URL:http://www.jhupo.org)

 

(2) 会議開催(担当:中西(産総研)、根本(産総研))

 我が国のプロテオームに関する情報交換の場として、各種フォーラム、会議の主催。

 プロテオーム及びプロテオーム技術を教育する実習、セミナーの主催。

 

(3) 教育広報活動(担当:次田、中村)

 我が国におけるプロテオームに関する教育・広報ならびに出版等を行う。国内における研究者と研究内容のマップ作成などを行う。

 

(4) 倫理指針の策定(担当:中村、森川(中外製薬)、大国(メデカジャパン))

 我が国における、ヒトプロテオーム研究の倫理指針を策定する。

 

(5) プロテオームに関する方法、技術および材料の改良と展開をする。(担当:高山(横浜市大)、高尾(阪大蛋白研)、西村(グラクソ・スミスクライン)、小林(島津製作所)、次田、中村)

 

(6) プロテオームに関する情報特に蛋白質の知的所有権について検証を進める

(担当:次田、森川、根本)

 

(7) プロテオームの成果のビジネスへの展開の奨励をする。(担当:中村、平野(横浜市大)、西村)

 

(8) 特別推進プロジェクト(中村、吉里(広島大)、次田)

 

 活動内容の概念図を図1に示す。

 

図1.概念図

 

 

3.2.会員

(1) 会には会長、副会長及び約20〜25名の理事を置く。会長、副会長には、HUPOの理事をあてる。日本国内にHUPO理事が単一名の場合は、そのものが会長となり副会長は理事会の互選による。日本国内にHUPO理事が不在の場合は、JHUPO理事会で互選する。理事の選出は、会員からの選挙により2年を任期とし、再選を妨げない。

 

2)会員は法人会員、個人会員、学生会員から構成される。

    法人会員は、本機構の趣旨に賛同して会費を納入し、事業の推進を図る法人または団体とする。

    個人会員は、本機構の趣旨に賛同し、事業の推進を図る大学、公的研究機関、企業の研究者とする。

 ・ 学生会員は、本機構の趣旨に賛同し、事業の推進を図る学生とする。

 

3)年会費

    法人会員:一口(登録者1名) 10万円/年とし、一口以上とする。

    個人会員:5千円/年

 ・学生会員:2千円/年

 

4)会員の権利

    会員は本機構が定める事業活動に参加できる。

    法人、個人会員は、総会(年1回)において議決権を有する。

 

 (5) 会員の義務

    法人会員、個人会員は年会費を納入する。

    会員は、本機構の活動において、知見した公知以外の情報等について、第三者に開示または漏洩してはならない。(守秘義務)

 

 (6) 会員の利益

 会員は、諸活動への参加により、以下の利益が期待される。

    プロテオームに関する調査、提案、育成、普及の段階で、機構の各部会の活動に参加できる。

    機構の親組織であるヒトプロテオーム機構(HUPO)に関するさまざまな最新情報を入手できる。

    公募制度などへ会員が応募する際に、機構による支援推薦が受けられる。

  例:(本機構の許可を得て)提案書に本機構の名称を記載できる。

    開発段階にあるプロテオーム・データベースに要望を出すことが出来る。

    機構が主催する後援会等に無料又は割引料金にて参加できる。

 

7)会の運営

 理事会(20〜25名)が各活動の中心となって平常の機構の運営を行う。

 年1回の総会で合意の内容を反映させる。

 

3.3.組織

 図2に組織図を示す。

 

図2.JHUPO組織図

 

資金運用

 図3に資金運用の流れを示す。

 

図3.資金運用の流れ


4.発起人

 会長 :次田 晧  プロテオミクス研究センター

 副会長:中村 和行 山口大学 医学部分子感知医科学講座(生化学)教授

 

5.賛同者(順不同)

安楽 泰宏 帝京科学大学 理工学部バイオサイエンス学科教授

荒木 令江 熊本大学 医学部腫瘍医学講座助教授

平野 久  横浜市立大学 木原生物学研究所・大学院総合理学研究科教授

礒辺 俊明 東京都立大学 大学院理学研究科生化学部門教授

小林 章一 (株)島津製作所 分析機器事業部ライフサイエンス部統括部長

真鍋 敬  愛媛大学 理学部化学科教授

森川 實  中外製薬株式会社 製品企画部部長

中島 秀典 藤沢薬品工業株式会社 探索研究所分子科学探索研究部長

中村 則夫 持田製薬株式会社 研究開発企画統括部副部長

中西 洋志 東京理科大学 大学院工学研究科教授

      経済産業省 産業技術総合研究所 生物情報解析研究センター

      分析認識チームチームリーダー

根本 直  経済産業省 産業技術総合研究所 生物情報解析研究センター

      分子認識チーム主任研究員

西村 俊秀 九州大学客員教授

      グラクソ・スミスクライン株式会社 研究本部化学研究部

      プロテオミクス課課長

大国 寿  日本医科大学 名誉教授

      (株)メデカジャパン総合研究所所長

曽根 純一 日本電気株式会社 基礎研究所所長

高尾 敏文 大阪大学 プロテオミクス総合研究センター教授

高山 光男 横浜市立大学 大学院理学研究科助教授

谷口 寿章 徳島大学 客員教授

      理化学研究所播磨研究所放射光利用連携研究

      メンブレンダイナミクス研究グループグループリーダー

戸田 年総 (財)東京都老人総合研究所 遺伝子情報部門

      TMIGプロテオーム研究センター主任研究員

吉里 勝利 広島大学 大学院理学研究科教授

―以上―

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